【JPCZ】冬型の気圧配置となれば雪が降るのはなぜ?

2022年12月18、19日は今年最強寒波襲来と言われており、日本海側では大雪をもたらしています。
天気でよく聞く「冬型の気圧配置」。

そうなれば特に日本海側では雪が降る確率が極端に高まります。
当記事では、冬型の気圧の配置となった場合、なぜ雪が降るのか、簡単に解説します!

そもそも「冬型の気圧配置」って?

冬型の気圧配置とは、日本の西側に高気圧、東側に低気圧がある「西高東低(せいこうとうてい)」と呼ばれる気圧配置となります。

この「西高東低」の気圧配置となると、日本海側では雪、太平洋側では空気は乾燥しているものの天気は晴れることが一般的です。

天気図には「等圧線」と呼ばれる線が引かれますが、ここではその説明は割愛します。

西高東低で雪が降るのはなぜ?

シベリア高気圧」という言葉に一緒に聞いたことがあると思います。
シベリア付近はじめ、中国を含む大陸側では晴れの天気となります。
ところが、放射冷却にて気温はどんどん下がります。

放射冷却って?

放射冷却とは、温まっているものがすぐに冷めることを言います。
太陽が沈むのが早くなり、昇るのが遅くなる秋ごろによく発生しますね。日中、太陽にて温められた空気は太陽が当たらなくなればすぐに冷えていきます。
冬のこの時期にシベリアで空気が冷えるのも同様の理由です。

冬のシベリアは大変寒く、いくら晴れていてもその気温はマイナス35-40度という極寒になります

高気圧と低気圧

西高東低では、日本列島を中心として東西で高気圧と低気圧とで別れます。
空気はバランスを取ろうとするため、それぞれの気圧は、高いほうから低い方へ空気が押し出されて移動しようとする性質があります。
冬の北西季節風は上記が理由で発生します。

西側に高気圧があり、東側に低気圧があるということは、西から東に向かって空気が移動するため西風が吹くことになります。

下降気流と上昇気流が雪を作る

冬場にエアコンをつけていて、上半身は温かくなったけど、足元が異様に寒くてハロゲンヒーターをつけたといった経験はないですか?
どこかから侵入する冷気は温かい空気より重たいために足元が冷たくなります。
つまり、下降気流の発生です。

お湯を沸かすと湯気が発生しますよね。
そしてそれらは鍋から上に向かって発生します。
つまり、上昇気流の発生です。

大陸からやってきた、ものすごく冷えた乾燥した風、空気は日本海に下り、空気より暖かい日本海は湯気が発生する結果となり、上昇気流が発生します。

その間、西から東に流れる風は大変冷たいので、日本海から蒸発した湯気が一瞬で冷やされ、雲となり雪となります。

水蒸気という言い方をすることもありますが、厳密にいえば水蒸気ではありません。

なぜ日本海側ばかりで雪が降る?

冬の日本海は大荒れしており一見大変冷たそうに見えますが、日本海に流れ込む暖流の対馬海流によって基本的には温かい海となります。

それらが上述にしたように上昇気流を発生させ、雪雲を作り、日本海側に大雪をもたらせます

日本列島は島の中心からそれぞれの山脈が存在しており、比較的低いところを浮遊している雪雲はそれらの山脈を超えることが出来ないため日本海側で大雪をもたらし、それを越えられない風はただの冷たい空っ風となり、低気圧のほうへ移動しようとするため、太平洋側は晴れていても乾燥した冷たい空気が流れます。

最近よく聞くJPCZとは?

近年、JPCZという文字をよく天気サイトなどで見かけるようになりました。
これは日本海寒帯気団収束帯(Japan sea Polar air mass Convergence Zone)が正式名称で、

シベリアからやってくる冷たい風は、朝鮮半島にある長白山脈(最高峰2744メートル)によって一旦分かれますが、再び合流するため、そこで収束帯が作られ、雪雲がより発達しやすくなります。
このため、JPCZが起きると山陰から東北の日本海側は大雪となることがあります。
時には山脈を超えて、太平洋側まで雪を降らせる場合もあります。

平地より山の方が積雪量が多いのはなぜ?

平地スタートAは、障害物が少ないため比較的早い時間で山まで到達します。
その雪雲は次は山にぶちあたりますが、Bからは山を登れない雲はずっとそこに滞在し続ける上、登る分にも時間がかかるため、結果として雪雲の滞在時間が増えることで山のほうが積雪量が多くなります。

また、山が高くなればなるほど雪は再び冷やされるため、パウダースノーが多くなります。

12月に降る雪は基本的には、重たくて水っぽい雪

12月ごろに日本に来る寒気といえば、まだ本気でない冬将軍な上、雪の原因となる日本海が基本的にはまだ暖かいため、とても重たい雪、あられや牡丹雪などがメインになります。
特に近年では12月から1月頭にかけて大雪になることが増えてますね。
これは地球温暖化により、海水温度の上昇によるためといえるでしょう。

便利な雪かき道具を紹介!

2022年のクリスマス寒波で至るところが大雪になってますね。
名古屋でも10cmの積雪、高知では14cmの積雪と観測史上初の積雪量となっているところもあります。

普段、雪とは縁がないエリアであれば雪かき道具なんてホームセンターに売ってない!なんて場合も。

自宅玄関前、会社の勝手口など、少々重たい雪であっても、スノープッシャー(雪おし)なんてものがあれば、10cm程度の積雪であればすぐに雪かき出来ますよー!

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