前科がつく場合って!?前歴の違いと前科が消える可能性

「喧嘩をして罰金刑になったが前科はついたのだろうか」
「息子が執行猶予になったが前科はついたのだろうか」

答えは、両方ともイエスです。

罰金になったり、執行猶予になると、前科がついていないと勘違いして安心する方もいますが、両方とも有罪の刑罰なので、前科が付きます。
ところが、大人になって、逮捕・勾留されたり、少年時代に補導されたり、少年院に入ったといった経験は前科には当たりません。

よく聞く言葉である反面、前科はどのような場合につくかが分かりにくいという方もいると思います。
この記事では、前科と前歴の違い、そして前科の影響について徹底解説します!

そもそも前科とは

前科とは、犯罪を犯して刑事裁判を受け、有罪判決を受けた経歴をいいます。
逮捕された、逮捕のあとに留置場で勾留された、勾留されたけれど不起訴になった、裁判を受けて無罪になった、という場合には前科は付きません。

日本では、検察官だけが、事件を刑事裁判にかけるかどうかを決めることができます。
刑事裁判にかけることを「起訴」、刑事裁判にかけないことを「不起訴」といいます。
つまり、逮捕されたり、10日間留置場で勾留され取調べを受けても、不起訴処分になればそもそも裁判にならないので有罪になることはなく、前科がつくこともありません。

反面、日本の刑事司法制度では、一度起訴されると、99.9%が有罪になり、無罪になる確率はわずか0.1%です。
時々、逮捕のあと自宅に帰されたため安心して放置していたら、ある日裁判所から起訴したので弁護士を選べという書類が届いて驚く方がいます。
一度起訴されると、無罪判決を獲得して、前科がつくことを避けるのは極めて難しいのが実情です。

前科がつく刑罰の種類

日本の刑罰には、死刑、懲役刑、禁錮刑、罰金刑、拘留、科料といったものがあります。
それぞれの刑罰は次のような意味があります。

懲役刑

刑務所などの刑務施設に収容されて、一定の作業を強制される刑罰。

禁錮刑

同じように刑務施設に入れられますが、作業をしなくてもよい刑罰。

 

懲役と禁錮は、無期以外の有期懲役は、1ヶ月以上20年と決められています。

拘留

刑務施設に入れられますが、期間が1日以上30日未満と短いもの。

罰金刑

1万円以上のお金を取られる刑罰。

科料

1万円未満のお金を取られる刑罰です。

この中で、前科がつく「有罪判決」を受けた刑罰とは、懲役刑・禁錮刑・罰金刑を受けたことをいいます。

罰金刑になった場合

罰金刑になった場合は、前科がつかないと勘違いしている人もいますが、罰金刑も刑罰として前科がつくので注意しましょう。
罰金刑が予定されている刑罰としては、暴行罪や傷害罪、窃盗罪、各都道府県の条例に違反する痴漢や盗撮などがあります。
強盗、横領、詐欺、強姦(強制性交等罪)、殺人などの重い罪では、罰金刑は予定されておらず、最低でも懲役刑というものが多くなっています。

執行猶予がついた場合

判決で執行猶予がついた場合も、有罪になったことに変わりはないので、同じように前科がつきます。

執行猶予は、その期間中に新たに罪を犯したりせず、平穏に過ごせば、刑罰を受けなくも良いという制度です。

よく「懲役2年、執行猶予4年」などという判決が下されることがありますが、これは、本来2年間刑務所に入らなければいけないけれど、4年間何も起こさなければ、刑務所に入らなくても済むというものです。

刑務所に行くことは避けられますが、有罪になったことに違いはないので前科がつきます。

前科がつかないとはどんな場合?

前科と似た言葉に「前歴」があります。
前歴とは、犯罪の疑いをかけられたけれど、前科がつかなかったことをいいます。

上記の、拘留・科料になった場合、交通違反をして青切符を切られて反則金を支払った場合などは、前歴はつきますが前科は付きません。
その他にも、未成年の時分にやんちゃをして警察に補導された場合、保護観察処分を受けた場合、少年院に入った場合等の経歴も、前科ではなく前歴にあたります。

成人して、逮捕・勾留されたけれど裁判にならずに不起訴で終了した、職務質問を受けた、容疑者として取調べを受けた等の場合は、前歴は付きますが前科は付きません。

前科・前歴情報の保管先

前科や前歴がついたという情報が、戸籍や住民票に載ることはありません。
前科・前歴の情報は、本籍地の市区町村と捜査機関に保管されます。

前科の場合は、市区町村の「犯罪人名簿」と、検察庁が管理する「犯歴表」に記載されます。
犯罪人名簿には、交通違反を除く罰金刑以上の刑罰を受けた人の情報が登録されています。
どちらも一般人は見ることができず、厳重に管理されているので、そこから世間にバレる心配は不要です。

前科が消える可能性

前科は、永久に残るものではありません。
前科がついても、懲役刑や禁錮刑で刑務所に収監された場合はその後10年、罰金刑の場合はその後5年の間、改めて罪を犯して罰金刑や懲役にならなければ、犯罪人名簿から名前が消されます。
つまり、法律上は前科が消えて、刑罰を受けていないものとして扱ってもらえることになるのです。

ただし、捜査機関に保管された犯歴票の情報は消されません。
とはいえ、犯歴票は明治時代から前科者について記録をとっているもので、刑事司法を正しく運用するために利用されるものなので、特に心配することはないでしょう。

 

職務質問にあって前科を心配していた方もいるかもしれませんが、実は前科がつくのは有罪になった最後の段階です。
とはいえ、起訴されると前科を阻止するのは日本では困難です。
逮捕されて釈放された場合でも、安心せずに、まずは弁護士に今後の対応を相談しておくことをおすすめします。

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